2026年1月27日火曜日

根量を増やす団粒構造

根量を増やす団粒構造

土壌の作物を育てる力=地力。その源は団粒構造であり、団粒構造を支えている糊状の炭水化物です。

上図(左)は、有機物が入っていない土壌です。学校の土のグラウンドのような硬い土壌です。土が硬く締まっているために、作物は根を伸ばすのに非常に苦労をします。さらに、雨が降る度に、土が含んだ水分の重さによって、圧し潰されて、岩石の粒子はギュウギュウに詰まってしまい、間隙がほとんどなくなってしまいます。間隙がないため、雨水は岩石の粒子の隙間に浸透することができず、表層に留まり、水たまりをつくります。そして、土はすぐに乾いて石のようにカチカチになってしまいます。雨が降れば水浸し、乾けばガチガチという、植物が生きていくには、とても過酷な環境です。

上図(右)は、有機物を多く含んだ土壌です。スポンジのように間隙が多く、フカフカしています。植物の体は水分を除いた乾物の4割はセルロースでできています。セルロースはブドウ糖を鎖状につないで紐にしたものを、さらに束ねてつくられた結晶体です。植物の残渣のセルロースは、土壌微生物のエサとなり、土壌微生物に分解されて、糊状の水溶性炭水化物になります。水に溶けて岩石の粒子の間隙に浸みていき、土壌微生物に食べられて二酸化炭素ガスを発生します。この二酸化炭素ガスの発生によって、岩石粒子の間隙は膨張し、岩石粒子はバラバラに粉砕されます。そして夜になって温度が下がると、間隙の糊状の水溶性炭水化物は周囲の粒子をくっつけたまま収縮・凝集して団粒構造をつくります。収縮することでできた多くの間隙により、土壌はまるでスポンジのようになり、間隙に適度な水分と空気を確保します。この間隙の多い団粒構造になることで、植物の根は適度な水分と栄養成分と細胞分裂を行う時に必要な酸素をしっかり得ることができるようになり、根はたくさん分岐し、さらに細かい根が増え、根毛も増えます。根量が多くなることで、栄養吸収量も増えて、葉緑体の光合成能力も向上し、ブドウ糖の生産量が増えることで、植物は健康に育つようになります。団粒構造の土壌はスポンジのような構造なので、フカフカで、トランポリンのように弾むような土壌になります。そして、雨が降れば、雨水は間隙に浸み込んでいき、適度に保水され、必要以上の水は、水自体の重さで、下方向へ落ちていき、排水されていきます。

土壌をフカフカの団粒構造にすることで根量が増えて、栄養吸収量が増え、葉緑体の光合成能力が向上し、ブドウ糖生産量が増え、ブドウ糖を原料にしているつくられるビタミンや抗酸化物質の生産量も増えます。これにより、収量・品質・病害虫抵抗能力が向上します。土壌の有している作物を育てる力=地力と呼びますが、地力の源は、土壌を団粒構造にしている糊状の水溶性炭水化物なのです。そして、現代の農業は、地力を酷使し消耗を加速する農業となってしまっています。機械で耕し、施肥をして、潅水を行う現代の農業は、土壌微生物の活動を活性化させるため、団粒構造を維持している糊状の水溶性炭水化物の、土壌微生物による分解・消費を非常に激しくしてしまいます。地力の源である糊状の水溶性炭水化物は、土壌微生物によって、二酸化炭素と水にまで分解されて土壌から失われていくのです。土壌は団粒構造を維持できなくなっていき、団粒構造が減衰することで、作物の根量も減衰し、栄養吸収量の低下により、作物の健康状態が損なわれます。右のフカフカの土壌だったのが、フカフカを維持できなくなり、左のカチカチの土になっていってしまうのです。

この地力の減衰という問題を解決するのが、有機農業(オーガニック・ファーミング)です。有機農業(オーガニック・ファーミング)は、その前の示すとおり、有機物を活用した農業です。土壌の作物を育てる力=地力は、土壌の団粒構造によって維持されており、団粒構造は、糊状の水溶性炭水化物によって維持されています。原因が明確ならば、対策も簡単です。土壌微生物によって糊状の水溶性炭水化物が分解されて失われてしまうことが原因ならば、足りなくなっていく糊状の水溶性炭水化物を補えばよいのです。つまり、堆肥を施用することで、地力の回復、地力の増進ができます。堆肥とは、セルロースをそのま施用するのではなく、土壌の団粒構造化を促進するために、予め好気発酵によって、糊状の水溶性炭水化物になるように分解してから施用するというものです。




有機物を施用すると、左のようなカチカチの重たい土が、右のようなフカフカの軽い土壌に変化します。団粒構造を維持しているのは糊状の水溶性炭水化物です。よって、足りなくなっていく糊状の水溶性炭水化物を堆肥などを活用して補くことで、地力を回復させることができます。。



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